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研究倫理委員会規定

​一般社団法人PsyAIコンサルティング

改定日:2026年5月18日

前文

本規程は、一般社団法人PsyAIコンサルティング(以下「当法人」という。)が設置する研究倫理審査委員会の組織及び運営、並びに申請・報告様式を定めるものである。主な対象は、人文・社会科学、心理学、産業保健心理学、教育、情報工学その他これらに近接する領域における、人を対象とする非侵襲又は軽微な侵襲にとどまる研究である。


本規程は、ヘルシンキ宣言、ニュルンベルグ綱領、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針、同ガイダンス、個人情報保護法、研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン、AI事業者ガイドライン、関係学会の倫理規程等を参照し、当法人の審査対象に合わせて整備したものである。

本規程に基づく審査は、研究実施の倫理的妥当性及び科学的合理性に関する委員会の意見であり、法令上必要となる研究実施機関の長による許可、行政庁への届出、臨床研究法・再生医療等安全性確保法・医薬品医療機器等法その他の法令に基づく手続を代替するものではない。

第1章 総則
第1条(目的)

この規程は、当法人が設置する一般社団法人PsyAIコンサルティング研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)の組織、運営及び審査手続を定め、人を対象とする研究が、研究対象者の尊厳、人権、安全及び福利を尊重し、科学的合理性、倫理的妥当性、個人情報等の適正な取扱い、研究の信頼性及び透明性を確保して実施されるようにすることを目的とする。

研究対象者の権利、安全及び福利は、研究によって得られる科学的又は社会的利益に優先する。

第2条(基本方針)

委員会及び研究者等は、次に掲げる事項を基本方針として研究の審査及び実施に当たる。

  1. 社会的及び学術的意義を有する研究であること。

  2. 研究分野の特性に応じた科学的合理性を有すること。

  3. 研究により得られる利益と、研究対象者への負担、リスクその他の不利益とが適切に比較考量されていること。

  4. 独立し、公正な立場にある委員会による審査を受けること。

  5. 研究対象者等に事前の十分な説明を行い、自由意思に基づく同意を得ること。ただし、法令、指針及び本規程に照らして適切と認められる場合は、オプトアウトその他の方法によることができる。

  6. 社会的に弱い立場にある者、従属関係に置かれる者又は特別な配慮を必要とする者に対し、必要な配慮を行うこと。

  7. 研究に利用する個人情報等を適切に管理すること。

  8. 研究の質、記録の正確性、再現可能性及び透明性を確保すること。

第3条(定義)

この規程における主な用語の意味は、次の各号に定めるところによる。法令又は国の指針に定義がある用語については、当該法令又は指針の定義を優先する。

  1. 「人を対象とする研究」とは、人を研究対象者として、質問紙、面接、観察、実験、行動ログ、オンライン調査、既存情報の解析、AIシステムとの相互作用その他の方法により情報を取得又は利用し、学術的又は社会的知見を得る活動をいう。

  2. 「研究対象者」とは、研究を実施される者、研究への参加を求められた者、又は研究に用いられる情報を取得された者をいう。死者に関する情報を用いる場合は、死者の尊厳及び遺族等の感情にも配慮する。

  3. 「研究責任者」とは、研究の実施を統括し、研究計画、同意手続、個人情報等の管理、研究者等の教育、利益相反の管理、有害事象等への対応及び報告について最終的な責任を負う者をいう。

  4. 「研究者等」とは、研究責任者、共同研究者、研究補助者その他研究の実施に携わる者をいう。

  5. 「研究実施機関」とは、研究が実施される法人、行政機関、大学、企業、医療機関、個人事業主その他の主体をいう。申請者が個人事業主として研究を実施する場合は、当該申請者が研究実施機関の長の責務に相当する責任を負う。

  6. 「侵襲」とは、研究目的で行われる身体的又は精神的な働きかけにより、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう。侵襲のうち、身体又は精神に生じる傷害又は負担が小さいものを「軽微な侵襲」という。

  7. 「介入」とは、研究目的で、人の健康、心理、行動、意思決定又は生活上の状態に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為をいう。ただし、当法人の審査対象は、原則として非医療的で低リスクの介入に限る。

  8. 「個人情報等」とは、個人情報、要配慮個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報、個人関連情報、研究対象者を識別し得る研究データ、同意記録その他研究に関して保護を要する情報をいう。

  9. 「インフォームド・コンセント」とは、研究対象者等が、研究の目的、方法、負担、リスク、利益、個人情報等の取扱い、同意撤回の方法その他必要な事項について十分な説明を受け、理解した上で、自由意思に基づき研究参加に同意することをいう。

  10. 「インフォームド・アセント」とは、研究対象者本人から法的な同意を得ることが困難な場合に、本人の理解力に応じて研究内容を説明し、本人の納得又は賛意を得ることをいう。

  11. 「有害事象」とは、研究の実施との因果関係の有無を問わず、研究対象者に生じた好ましくない事象、心理的苦痛、傷病又はその徴候をいう。

  12. 「重篤な有害事象」とは、有害事象のうち、死に至るもの、生命を脅かすもの、治療のための入院又は入院期間の延長が必要となるもの、永続的又は顕著な障害若しくは機能不全に至るもの、子孫に先天異常を来すもの、又はこれらに準じて重大と判断されるものをいう。

  13. 「重大な不適合」とは、承認された研究計画、法令、指針又は本規程からの逸脱のうち、研究対象者の人権、安全若しくは福利、研究の信頼性、又は審査の中立性・公正性に重大な影響を及ぼすもの又は及ぼすおそれのあるものをいう。

  14. 「利益相反」とは、研究者等又は関係機関の経済的利益、職務上の関係、知的財産、人的関係その他の利害が、研究の公平性、客観性又は信頼性に影響を及ぼす状態又はそのおそれをいう。

  15. 「AIシステム」とは、機械学習、生成AI、チャットボット、アルゴリズムその他の自動化技術により、研究対象者との相互作用、助言、分類、予測、評価又は意思決定支援を行う仕組みをいう。

第4条(適用範囲及び審査対象)

委員会は、次に掲げる研究を審査対象とする。

  1. 人文・社会科学、心理学、産業保健心理学、教育、情報工学その他これらに近接する領域における、人を対象とする非侵襲又は軽微な侵襲にとどまる研究。

  2. 質問紙調査、インタビュー、観察、オンライン調査、行動ログ解析、軽微な心理実験、AIシステム又はデジタルサービスの評価、既存情報の解析その他これらに類する研究。

  3. 生命科学・医学系研究に該当する可能性のある研究であっても、法令及び国の指針上必要な研究実施体制、研究実施機関の長の許可、行政手続、補償その他の要件を満たすことが確認でき、かつ委員会が審査可能と判断した研究。

 

委員会は、次に掲げる研究については、原則として審査を受け付けない。ただし、委員会が審査可能性を確認するための事前相談又は審査不可の確認を行うことを妨げない。

  1. 治験、特定臨床研究その他臨床研究法の対象となる研究。

  2. 再生医療等安全性確保法、医薬品医療機器等法その他の法令に基づく特別な審査又は手続が必要となる研究。

  3. 通常の診療を超える医療行為、薬物投与、放射線照射、採血、手術、侵襲性の高い検査その他軽微な侵襲を超える行為を含む研究。

  4. ヒトゲノム・遺伝子解析、人由来試料の採取又は利用、遺伝情報の解析その他当法人が通常の審査体制では安全性及び倫理的妥当性を判断できない研究。

  5. 研究対象者の安全確保、緊急時対応、補償、個人情報等の保護又は研究実施体制が明らかに不十分な研究。

第5条(申請者の条件)

委員会に審査を申請できる者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。

  1. 所属機関に研究倫理審査委員会が設置されていない者、所属機関の規程により外部審査を受けることが認められている者、又はやむを得ない理由により所属機関で審査を受けることができない者。

  2. 研究責任者として、研究計画の作成、研究の実施、同意手続、個人情報等の管理、研究対象者への対応及び報告義務を果たす能力と体制を有する者。

  3. 申請日前1年以内又は受講証明書に記載された有効期間内に、研究倫理、個人情報保護及び研究公正に関する教育・研修を受けている者。

  4. 研究を特定の機関、職場、学校、医療機関、オンラインプラットフォームその他の場で実施する場合、当該研究実施機関又は場の責任者から必要な許可又は承諾を得ている者。

  5. 利益相反の有無及び内容を開示し、必要な管理措置を講じる者。

第2章 委員会の設置及び構成
第6条(設置者及び委員会の位置づけ)

委員会は、当法人の代表理事の下に置く。代表理事は、委員会の設置者として、委員会が中立的かつ公正に運営されるために必要な体制、事務局、規程、記録管理、委員教育及び継続的運営を確保する。

委員会は、研究責任者又は研究実施機関から研究計画の実施の適否等について意見を求められたときは、倫理的観点及び科学的観点から中立的かつ公正に審査を行い、文書又は電磁的方法により意見を述べる。

委員会の意見は、研究実施の最終許可そのものではない。研究実施の最終責任は、研究責任者及び研究実施機関の長が負う。当法人が研究実施機関となる研究については、代表理事が委員会の意見を尊重して実施の可否を判断する。

第7条(委員会の構成)

委員会は、5名以上の委員をもって構成し、次の各号に掲げる要件をすべて満たすものとする。第1号から第3号までの者は、それぞれ他を同時に兼ねることはできない。

  1. 医学、医療、自然科学又は情報科学等の有識者を含むこと。

  2. 倫理学、法律学、人文・社会科学又は心理学等の有識者を含むこと。

  3. 研究対象者の観点を含めて、一般の立場から意見を述べることができる者を含むこと。

  4. 当法人に所属しない者を複数含むこと。

  5. 男女両性を含むこと。委員構成に当たっては、性別、年齢、専門性、社会的背景その他の多様性にも配慮する。

  6. 委員は成年であり、委員としての職務を遂行する能力を有する者であること。

 

特別な配慮を必要とする者を研究対象者とする研究、AIシステムを用いる研究、労働者又は学生等の従属関係にある者を対象とする研究、その他専門的判断を要する研究を審査する場合、委員会は、必要に応じて外部専門家、当事者の立場を理解する者又は関係領域の有識者から意見を聴くことができる。

委員の任期は2年とし、再任を妨げない。欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。特定の審査に必要な専門性を補うため、代表理事は、委員長の意見を聴いて臨時委員又は専門委員を委嘱することができる。

第8条(委員長及び副委員長)

委員会に委員長を置く。委員長は、委員の中から代表理事が選任する。

委員長は、委員会の会務を統括し、審査の進行、審査結果の取りまとめ、迅速審査の指名、審査記録の確認その他委員会運営に必要な事項を行う。

委員会に副委員長を置くことができる。副委員長は、委員長に事故があるとき又は委員長が利益相反その他の理由により職務を行うことが適切でないとき、委員長の職務を代理する。

第9条(委員等の教育・研修)

委員、臨時委員、専門委員及び事務局職員は、審査及び関連業務に先立ち、倫理審査、研究倫理、個人情報保護、利益相反、研究公正その他必要な知識を習得するための教育・研修を受けなければならない。

委員等は、就任後も適宜継続して教育・研修を受けるものとする。事務局は、教育・研修の実施又は受講の記録を保存する。

第10条(守秘義務)

委員、臨時委員、専門委員、事務局職員及び審査に関与した者は、審査又は関連業務により知り得た個人情報、研究計画、未公表データ、営業秘密その他秘密として取り扱うべき情報を、法令に基づく場合又は正当な理由がある場合を除き、第三者に漏らしてはならない。

前項の義務は、委員等の職務を退いた後も存続する。

第3章 審査手続
第11条(申請手続)

審査を申請する研究責任者は、所定の様式による審査申請書、研究計画書、説明文書、同意書又は同意画面、調査票、面接ガイド、募集文書、データ管理計画、利益相反申告書、倫理教育の受講証明書、研究実施機関の承諾書、AIシステムに関する説明資料その他委員会が必要と認める資料を、事務局を通じて提出しなければならない。

研究責任者は、委員長又は委員会から求められた場合、委員会に出席し、又は文書若しくは電磁的方法により研究計画等を説明しなければならない。

研究責任者は、委員会の承認又は条件付き承認を受け、必要な条件を満たすまでは、研究対象者の募集、同意取得、データ取得その他研究の実施に着手してはならない。

第12条(会議及び成立要件)

委員会は、対面、オンライン会議、書面審議又はこれらを組み合わせた方法により開催することができる。オンライン会議又は電磁的方法を用いる場合は、本人確認、通信の安全性、審査資料の管理、発言機会の確保及び議事記録の保存に配慮する。

委員会の会議は、第7条第1項各号に定める構成要件を満たす委員が審議及び意見の決定に参加する場合に成立する。

審査対象研究に携わる研究者等、当該研究の申請者、研究責任者、共同研究者、委託先、資金提供者その他当該研究について利益相反を有する委員は、当該研究の審議及び意見の決定に参加してはならない。ただし、委員会の求めに応じて説明又は質疑応答を行うために出席することができる。

審査を依頼した研究責任者は、委員会の審議及び意見の決定に参加してはならない。ただし、委員会の同意を得て、当該審査の内容を把握するために必要な範囲で会議に同席できる。

第13条(審査の観点及び判定)

委員会は、研究の社会的・学術的意義、科学的合理性、研究対象者の選定の妥当性、研究対象者への負担及びリスク、期待される利益、説明及び同意の方法、個人情報等の取扱い、研究実施体制、利益相反、研究の透明性、AIシステム又はデジタル技術の利用に伴うリスク、研究対象者への特別な配慮その他必要な事項を審査する。

委員会の意見は、全会一致をもって決定するよう努める。全会一致が困難な場合は、審議に参加できる委員の過半数をもって決定する。ただし、可否が同数の場合は、追加資料の提出、修正又は再審査を求めるものとし、少数意見は議事録に記録する。

判定区分は、次のとおりとする。

  1. 承認:研究計画の実施を倫理的及び科学的に妥当と認める。

  2. 条件付き承認:委員会が示す条件を満たすことを前提に、研究計画の実施を妥当と認める。条件の充足は、委員長又は委員長が指名する委員が確認する。

  3. 継続審査:研究計画に修正又は追加資料が必要であり、再度審査を行う。

  4. 不承認:研究計画の実施を倫理的又は科学的に妥当と認めない。

  5. 非該当又は審査不可:研究倫理審査の対象外である、又は当法人の審査体制では審査できない。

 

委員会は、審査結果を文書又は電磁的方法により研究責任者に通知する。

第14条(迅速審査及び付議不要確認)

委員会は、次の各号に掲げる審査について、委員長が指名する1名以上の委員による迅速審査を行うことができる。迅速審査の結果は委員会の意見として取り扱い、すべての委員に報告する。

  1. 既に主たる倫理審査委員会の審査を受け、適当である旨の意見を得ている多機関共同研究について、当法人に関する実施体制等を確認する審査。

  2. 承認済み研究計画の軽微な変更に関する審査。

  3. 侵襲を伴わず、介入を行わない研究に関する審査。

  4. 軽微な侵襲を伴う研究であって、介入を行わないものに関する審査。

  5. その他、研究対象者への負担及びリスクが低く、前各号に準ずるものとして委員長が迅速審査に適すると判断した審査。ただし、法令又は国の指針において迅速審査の対象が定められている研究については、その範囲に限る。

委員長が当該研究に関与し、又は利益相反を有する場合は、委員長は当該迅速審査を担当せず、副委員長又は委員会が別に定める委員が必要な職務を行う。

 

迅速審査を担当する委員は、迅速審査では審査が困難と判断した場合、不承認相当若しくは審査不可相当と判断した場合、又は通常審査が必要と判断した場合には、通常審査に付すよう求めることができる。迅速審査の結果の報告を受けた委員は、理由を付して、委員長に対し、当該事項について通常審査を求めることができる。

事務局又は委員長は、公表済み情報のみを用いる活動、個人に関する情報に該当しない既存情報のみを用いる活動、業務改善目的で研究に該当しない活動その他委員会審査に付す必要がないと判断できる活動について、付議不要確認を行うことができる。付議不要確認の結果は記録する。

第15条(再審査及び不服への対応)

研究責任者は、委員会の判定又は意見に対し、同一内容で単に不服を申し立てることはできない。

研究責任者は、委員会の指摘事項に対応した修正資料又は新たな根拠資料を提出することにより、再審査を申請することができる。再審査の回数、方法及び期限は、研究の内容及び審査の必要性に応じて委員長が定める。

第16条(変更申請、実施状況報告及び終了報告)

研究責任者は、承認された研究計画を変更しようとするときは、変更前に、所定の様式により変更申請を行い、委員会の審査又は確認を受けなければならない。ただし、研究対象者の負担、リスク又は権利利益に影響しない軽微な事務的変更は、委員長又は事務局への報告により足りる。


前項の変更には、研究目的又は研究方法、対象者又は募集方法、説明・同意方法、研究対象者の負担又はリスク、個人情報等の取扱い、人工知能(AI)システムの仕様又は利用方法、研究実施体制、研究期間、資金源又は利益相反に関する重要な変更を含む。

 

研究責任者は、研究の実施期間中、研究計画書に定める頻度及び時期に従い、研究の進捗状況、有害事象その他の問題の発生状況、個人情報等の管理状況、試料・情報の第三者提供状況その他委員会が必要と認める事項を、所定の様式により当法人代表理事及び委員会に報告しなければならない。

 

前項の実施状況報告は、原則として、承認日又は前回の実施状況報告日から3年ごとに行う。ただし、研究の内容、リスクの程度、研究対象者の負担、法令又は国の指針の適用状況等を踏まえ、委員会は、別の報告頻度又は報告時期を定めることができる。

 

研究実施期間が3年以内の研究は、委員会が別に求める場合を除き、研究終了報告をもって実施状況報告に代えることができる。既に1回以上実施状況報告を行った研究において、次回の実施状況報告の時期が研究終了報告の予定年又はその前年に当たるときも、同様とする。

 

前各項にかかわらず、重篤な有害事象、個人情報等の漏えい等、重大な不適合、研究計画からの重大な逸脱その他研究の継続に影響を及ぼすおそれのある事実が発生した場合には、定期の実施状況報告を待たず、速やかに当法人代表理事及び委員会に報告しなければならない。

 

研究責任者は、研究を終了し、中止し、又は中断したときは、速やかに、所定の様式により当法人代表理事及び委員会に報告しなければならない。

第4章 研究者等の責務
第17条(研究責任者及び研究者等の基本的責務)

研究責任者及び研究者等は、承認された研究計画、法令、国の指針、本規程及び委員会の意見を遵守し、研究対象者の尊厳、人権、安全及び福利を尊重して研究を実施しなければならない。

研究責任者は、研究者等が必要な教育・研修を受け、研究計画、同意手続、個人情報等の取扱い、有害事象等への対応及び利益相反管理を理解していることを確認しなければならない。

研究責任者及び研究者等は、研究データの正確性、完全性、追跡可能性を確保し、捏造、改ざん、盗用、二重投稿、不適切なオーサーシップその他研究不正を行ってはならない。

研究責任者は、研究対象者からの問い合わせ、苦情、同意撤回、個人情報等に関する請求又は相談に適切に対応できる体制を整えなければならない。

第18条(インフォームド・コンセント等)

研究責任者及び研究者等は、原則として、研究対象者等に対し、研究の目的、方法、研究期間、研究対象者として選定された理由、予想される負担及びリスク、期待される利益、個人情報等の取扱い、第三者提供又は外国提供の有無、研究データの公開、利益相反、問い合わせ先、同意撤回の方法及び撤回後のデータ取扱いその他必要な事項を、理解しやすい方法で説明し、自由意思に基づく同意を得なければならない。

同意の方法は、文書による署名、電磁的方法、口頭同意の記録、チェックボックス、録音その他研究の性質に応じて適切な方法とする。電磁的方法による同意では、本人確認、質問機会の確保、説明事項の閲覧又は保存の機会、同意記録の保管に配慮する。

未成年者、判断能力に制約のある者その他本人のみで有効な同意を行うことが困難な者を対象とする場合、研究責任者は、代諾者からの同意及び本人の理解力に応じたインフォームド・アセントを得る方法を研究計画に定めなければならない。本人が研究参加を拒否した場合は、原則としてその意思を尊重する。

研究対象者は、いつでも研究参加を拒否し、又は同意を撤回できる。研究責任者及び研究者等は、拒否又は撤回により研究対象者が不利益な取扱いを受けないようにしなければならない。

研究上やむを得ず一部の情報を事前に開示しない方法を用いる場合、研究責任者は、その必要性、代替方法がないこと、リスク最小化策、事後説明、同意撤回の機会及び撤回時のデータ取扱いを研究計画に明記し、委員会の承認を受けなければならない。

第19条(特別な配慮を要する研究)

研究責任者は、未成年者、高齢者、障害のある者、妊娠中又は授乳中の者、判断能力に制約のある者、疾病、心理的危機、社会的困難、災害、貧困、差別又は従属関係により不利益を受けやすい者を対象とする場合、必要な配慮を研究計画に定めなければならない。

学生、部下、従業員、患者、利用者、取引先その他研究者等との関係上、参加の自由が損なわれるおそれのある者を対象とする場合、研究責任者は、参加拒否又は同意撤回による不利益を防ぐ方法、募集者と評価者・管理者の分離、回答内容の非開示、匿名化又は秘匿化その他の措置を講じなければならない。

職場、学校又は団体内で研究を実施する場合、研究責任者は、管理者、雇用主、教員その他権限を有する者に個人の回答、参加状況又はセンシティブな情報が不適切に共有されないようにしなければならない。

謝礼、報酬又は便益を提供する場合、研究責任者は、その内容が研究参加の自由意思を不当に損なわない範囲であることを確認しなければならない。

第20条(個人情報等及び研究データの管理)

研究責任者及び研究者等は、個人情報保護法、関係条例、国の指針、契約及び本規程に従い、個人情報等を適正に取得、利用、提供、保管、廃棄しなければならない。

研究計画には、取得する情報の種類、要配慮個人情報の有無、利用目的、利用範囲、共同利用、委託、第三者提供、外国提供、データ公開、保管場所、アクセス権限、暗号化、バックアップ、廃棄方法、漏えい等発生時の対応を明記しなければならない。

匿名化、仮名加工、匿名加工、統計化その他の加工を行う場合、研究責任者は、再識別リスク、対応表の管理、加工情報の利用範囲、公開又は提供の方法を研究計画に定めなければならない。

クラウドサービス、AIサービス、外部委託先、共同研究機関又は国外事業者に個人情報等を提供又は処理させる場合、研究責任者は、提供先、所在国、提供内容、利用目的、安全管理措置、契約又は規約、再委託の有無、学習利用の有無及び研究対象者への説明方法を確認しなければならない。

個人情報等の漏えい、滅失、毀損、不正アクセス、誤送信、紛失、ランサムウェア感染その他のインシデントが発生した場合又はそのおそれがある場合、研究責任者は、直ちに被害拡大防止、事実確認、原因調査、再発防止、関係者への連絡、本人通知、個人情報保護委員会への報告その他必要な措置を講じ、所定の様式により当法人代表理事及び委員会に報告しなければならない。

第21条(AIシステム及びデジタル技術を用いる研究)

AIシステム、生成AI、チャットボット、アルゴリズム、ウェアラブル端末、行動ログ、音声・画像解析その他のデジタル技術を用いる研究では、研究責任者は、その目的、機能、対象者との相互作用の有無、AIであることの明示、出力の限界、誤出力、偏り、差別、過信、心理的影響、セキュリティ、ログ及び入力データの取扱い、学習利用、外部提供、外国提供、再識別リスク、人による監督及び緊急時対応を研究計画に明記しなければならない。

相談、カウンセリング、メンタルヘルス支援、健康支援又は助言を想起させるAIシステムを用いる場合、研究責任者は、医療行為又は専門的支援と誤認されない説明、適用範囲と限界、危機時の相談先、自傷他害リスクその他緊急時の導線、人による確認体制を整備しなければならない。

AIシステムのモデル、プロンプト、評価方法、データ処理、利用規約又は安全対策に、研究対象者の権利、負担又はリスクに影響し得る変更が生じる場合、研究責任者は、事前に変更申請又は報告を行わなければならない。

第22条(利益相反の管理)

研究責任者及び研究者等は、研究資金、委託、共同研究、報酬、株式、知的財産、製品開発、雇用関係、親族関係その他研究の公平性又は客観性に影響を及ぼし得る利益相反を申請時及び変更時に開示しなければならない。

委員会は、利益相反が研究対象者の保護又は研究の信頼性に影響し得ると判断した場合、開示、役割分担、データ解析者の独立性確保、第三者による確認、研究対象者への説明、結果公表時の開示その他必要な管理措置を求めることができる。

第23条(有害事象、重篤な有害事象及び重大な不適合への対応)

研究者等は、有害事象、重篤な有害事象、重大な不適合又はそのおそれを知った場合、研究対象者の保護を最優先し、必要な説明、相談支援、医療機関又は専門機関への案内、研究の一時停止その他必要な措置を講じ、速やかに研究責任者に報告しなければならない。

研究責任者は、重篤な有害事象、重大な不適合、研究対象者の人権又は安全に重大な影響を及ぼす事態、個人情報等の漏えい等を知った場合、所定の様式により、速やかに当法人代表理事及び委員会に報告しなければならない。研究実施機関がある場合は、当該研究実施機関の長にも報告する。

研究責任者は、必要に応じて、研究の一時停止、中止、研究計画の変更、対象者への追加説明、再同意、データの利用停止、再発防止策その他の措置を講じる。

国の指針又は法令により行政庁への報告又は公表が必要となる場合、研究責任者及び研究実施機関の長は、当該法令又は指針に従い必要な手続を行う。

第24条(モニタリング、監査及び研究の信頼性確保)

研究責任者は、研究のリスク、規模及び性質に応じて、自己点検、モニタリング、監査その他研究の信頼性を確保する方法を研究計画に定める。

侵襲を伴い介入を行う研究その他リスクが高い研究では、国の指針及び法令に従い、モニタリング及び必要に応じた監査を実施する。

研究責任者は、研究結果を公表する場合、正確性、完全性、再現可能性、利益相反の開示、著者資格、データ共有の可否、研究対象者のプライバシー保護及び研究計画との整合性に配慮しなければならない。

第5章 記録、公開、事務及び改廃
第25条(記録の作成及び保存)

事務局は、申請書、研究計画書、説明文書、同意書、審査資料、議事録、審査結果通知書、委員名簿、利益相反記録、教育・研修記録、変更申請、実施状況報告、終了報告、有害事象等報告その他審査に関する記録を作成し、保存する。

審査資料及び審査記録の保存期間は、原則として研究終了報告日から5年とする。ただし、法令、国の指針、契約、投稿規程、研究計画又は委員会の意見によりより長い期間が求められる場合は、その期間による。

試料・情報の提供に関する記録を作成する場合、提供記録は提供日から少なくとも3年、受領記録は研究終了報告日から少なくとも5年を目安として保存する。

保存期間満了後に記録を廃棄する場合、事務局は、個人情報等及び秘密情報が復元困難な方法で廃棄されるよう管理する。

第26条(公開)

当法人は、必要に応じて、委員会の規程、委員名簿、開催状況、審査の概要その他委員会の透明性確保に必要な情報を公開する。生命科学・医学系研究に関する倫理指針の対象研究を審査する場合は、同指針が求める公開及び倫理審査委員会報告システムへの掲載等に対応する。

公開に当たっては、研究対象者等の人権、個人情報、研究者等の正当な権利利益、営業秘密、未公表研究の知的財産その他保護すべき情報に配慮する。

第27条(事務局)

委員会に事務局を置く。事務局は、代表理事の下で、申請受付、資料確認、委員会の開催調整、議事録作成、審査結果通知、記録保存、公開、教育・研修の支援、問い合わせ対応その他委員会運営に必要な事務を行う。

事務局は、審査資料及び個人情報等を適切に管理し、委員会の中立性及び公正性を損なうおそれのある行為をしてはならない。

第28条(申請に係る経費)

申請者は、審査又は再審査に必要な経費として、10,000円(税抜)を当法人に納める。ただし、審査の範囲、迅速審査、再審査、変更審査、特別な専門家意見の要否その他の事情に応じ、当法人が別に定めることができる。

審査不可又は申請取下げの場合の取扱いは、当法人が別に定める。

第29条(規程の改廃及び運営要領)

この規程の改廃は、当法人の定款及び内部規程に従い、権限を有する機関の決定により行う。

この規程に定めるもののほか、委員会の運営、申請書式、審査手数料、記録管理、公開方法その他必要な事項は、委員長が委員会に諮り、代表理事の承認を得て別に定めることができる。

法令、国の指針又は関係ガイドラインが改正された場合、この規程に明示がない事項についても、当該改正後の法令、指針又はガイドラインに従うものとする。必要がある場合、委員長及び代表理事は、速やかに本規程又は運営要領の改正を検討する。

附則
  1. この規程は、2021年3月21日から施行する。

  2. この改正は、2024年6月5日から施行する。

  3. この改正は、2026年5月18日から施行する。

 
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